パークレンジャーになりたい日本人【北米縦断・原付二種の旅 33日目】
市民権がないとパークレンジャーになるのは難しいらしい
今まで宿には日本人はほとんどいなかったんだけど、今日はやけに多かった。その一人にロサンゼルスに3年位住んでいて、今度アラスカ大学へ行きたいっていう人がいたんだ。
何でこんな寒い所へと思ったんだけど、アラスカ大学っていうのはパークレンジャーになるための講義がある大学があるらしいんだ。他の大学からでも道はあるようだけど、そこの講義は優遇されているらしい。
その彼はパークレンジャーをもちろん目指してるんだけど、アメリカでパークレンジャーになるにはアメリカの市民権を持っていなと厳しいらしい。市民権がないと日本人はなかなかな難しい職業ってわけね。
感覚的には、パークレンジャーって国家公務員みたいな立ち位置っぽい。正確には違うのだろうけど、だから市民権のない海外の人にはなかなか道が拓けないらしい。
彼はもちろん市民権なんか持っていないから、奇跡を信じてやるみたい。
アメリカに住んでいた別の日本人も交えて話したのだけど、「ほとんどなれないものを目指してもダメなんじゃないの」という意見。決まりがあるものだったら難しいだろうとのこと。
でもやりたい事がパークレンジャーなら、たとえなれなくても勉強するのはアリだと思うな。最初からあきらめると後悔するのもあるし、なれなかったとしてもその経験は何かに役立つだろうしね。がんばってほしいね!
アメリカの健康保険
アメリカに在住の経験がある彼らが、アメリカの事について話してるのは面白かったよ。
アメリカは日本の健康保険みたいなものがないんだって。何十万円までは完全に自己負担で、それからやっと何割かの負担でよくなるらしい。
アメリカは個別に企業が福利厚生として健康保険に入ることがあって、そのひとつのHMO組織が問題になってることとか、いろいろ住んでないと分からない現実をいくつか聞けたんだ。
面白かったけど、住んでないからピンとはこないんだけどね。
日本人のボランティア精神
日本人にボランティア精神は全くないと思う? 日本の人ってやっぱり余裕がないのかな。
病気の彼と話したんだけど、その病気こ講演会を開いて最後に「協力してくれる方は挙手を」と尋ねたらしい。そして何十人もの人がいて、病気で苦しんでいる人がいる現実を知りながら、すぐに手を挙げてくれた人は一人。
日本人にはボランティア精神は全くないのではないかと思うほど、とても悲しい思いをしたらしい。「日本に対していいイメージをマッタク持ってない。」と言っていたよ。
悲しい現実だけど、俺もきっとすぐには手をあげられないよ、って答えてしまった。なんでだろうって考えるとさ、自分の生活も危ういのに人の事かまってられないんだよね。旅をしてる今でさえ「帰ったらどうしようか。」なんて考えてるくらいだからさ。
他人のことに無関心な日本でずっと生活してきたから、それが心地いいんだけど、彼が日本にいいイメージを全く持ってないっていうのも分かるよね。いろいろ協力してくれた人は日本人ではなかったという事実・・・。
彼は日本人だから、日本を好きになりたいとも言ってたけど、日本ってやっぱり障がい者に対して冷たいという現実は、たしかにこっちにいると分かってしまう。こちらは活き活きと旅している障がい者がいっぱいいるからね。
でも俺がもし日本に帰った時に、そういう現実を知りながら何かするかっていうと、きっと何にもしないよね。まず自分のことから片付けなきゃいけないから。困っている人がいたらなるべく助けるようにはしようとは思うのだけどね。
ああ今日はちょっと落ち込みぎみだぁー。
Billie’sテントサイト(走行0km)
この会話に参加していたこともレンジャーを目指していた人のことも全然記憶にないのですが、「ほとんどなれないものを目指してもダメなんじゃないの」って台詞は間違いなく私ですね(笑)。それから「日本に対していいイメージをマッタク持ってない。」って台詞も記憶にありませんが、日本を離れて10年も経って毎年ツーリストとして行く日本に対して今はかなりいい印象を持っています。今は現在住む「タイに対していいイメージをマッタク持ってない」状態です(笑)。いい悪いって相対的なことですが、要は日本がどうとかタイがどうとかってこと以上に私の問題ってことですよね。でも自分の国の評価って結局外に出てみない限りできないとは思ってます。ちなみにタカさんの前では偉そうに「日本人はボランティア精神が全くない」なんて言っていた私自身が自分が立ち上げた患者会に早々に見切りをつけて海外に移住してしまったりしました。
ところでこの写真がもしかしてあのとき御馳走になったステーキ??。
たぶんそうです!帰国後ですが、3人の障害を持つ方を身近に知ったり話を聞いたりしています。日本でも日本でなくても、障害を持つ方のキビシイ現実も見たりしました。まあいまだに自分のことに精一杯で何もしてあげられていないですが、その場に居合わせたら、少なくともキチンと接したいとは思っていますね。