バイク整備にはどんなトルクレンチが必要?
自分でバイク整備をするときに必要な工具の一つが、確実なトルク管理が必要な箇所に使うトルクレンチです。
いままで色々作業しましたが、サンデーメカニックの私は2本のトルクレンチがあればだいたいの作業をすることが出来ています。
バイク整備にはどの範囲のトルクレンチがあればいいのか、私が実際に使っているトルクレンチを紹介しながら説明したいと思います!
<スポンサーリンク>
バイク整備に必ず必要になるトルクレンチ
オイル交換などの軽めの作業であればトルクレンチがなくても出来ますが、いろいろと整備しはじめると必ずトルクレンチが必要になってきます。
例えばフロントフォークのオイル交換、ブレーキローターやブレーキホースの交換、リアショックの交換、ステムやリンクのグリスアップなどです。
各部品のトルクはサービスマニュアルに書いてあり、安全に関わる場所は必ずトルクレンチを使って締め付ける必要がありるからです。
2本のトルクレンチでだいたい事足りる
サンデーメカニックを長年やってきましたが、だいたいの作業は2本のトルクレンチがあれば整備できています。
プロの方や本格的な整備をしている方は、それではダメという方もいると思うので参考までに聞いてもらえればと思います。
私が使っているトルクレンチは、1本目が5〜40N・mがはかれるもの、2本目は40〜200N・mがはかれるものです。
実際に私の乗るKLR650のサービスマニュアルをみてみると、一番トルクが高い部分はエンジンの内部が多いですね。
トルクが一番高そうなところがフライホイールボルト175N・m、クラッチまわりが120〜130N・m、スイングアームまわりのボルトも高めで98N・m。
その他の部分もざっと見てみると、100N・m以内のトルクの箇所が多いですね。
通常よくやる整備でトルクレンチの必要な作業は、ブレーキパッドの交換やフォークオイルの交換でしょうか。
ブレーキまわりやフロントフォークなどが25N・m付近で、ほとんどの部分が40N・m以内のトルクが多いです。
ブレーキやハンドル回りなんかは適正トルクで締まっていないと怖いので、トルクレンチは必須ですよね。
ざっと数値を見てみると、トルクを変えられるプリセット型トルクレンチが2本あれば、バイク整備はかなりの所まで出来るのが分かりますね。
私の使っているトルクレンチを紹介
私がメインで使っているトルクレンチ2本と、あまり使っていないトルクレンチ2本を紹介したいと思います。
メインの1本はブランド品で1本は格安品ですが、私はプロではないですが十分使えると思っているので、是非参考にしてみてください!
通常整備でよく使う、5〜40N・m の範囲をカバーするトルクレンチ
私の使っているトルクレンチ1本目は、トーニチ製のMTQL40Nというモデルです。
競技用自転車やモーターサイクル用のプリセット型トルクレンチで、バイク整備によく使う5〜40N・mのトルクを管理できます。
KLR650では39N・mで締めるステムナットにもギリギリ使えたり、5N・mの弱いトルクにも対応しているのも良い所。
プリセットのダイヤルは使いやすく数字も見やすいです。格安トルクレンチとは違うろころですね。
細めのボルトやナットに使うトルクレンチは信頼性が欲しいですが、高い評価を受けているトーニチ製なので安心できます。
トーニチ MTQL40Nは全体的な作りも良く、非常に使い勝手がよいですね。
このトルクレンチを主に使う場所は、フォークボルト、ブレーキボルト、ローターボルト、ブレーキパンジョーボルトなど。
もちろんオイルドレンボルトなどにも使えるので、ボルトやナットのトルクに不安がある人には便利です。
通常の整備での使用頻度が高く、本当に買って良かったと思っているトルクレンチがトーニチのMTQL40Nです。
強力に締める必要のある、40〜200N・m の範囲をカバーするトルクレンチ
私の使っているトルクレンチ2本目は、エマーソンのタイヤ交換用のトルクレンチです。
初期設定がタイヤ交換時のトルクにあわせて103N・mになっていますが、40〜200N・mで範囲を変えることが出来るプリセット型です。
リーズナブルな品なので仕方ないですが、ダイヤルの数字が見づらいことが欠点でしょうか。
この数字の確認方法は格安品によくある仕様ですが、数字を合わせる時は間違わないように何度も確認しています。
精度が心配ですが、別のトルクレンチではかれる範囲内で比較しても同程度の締め具合なのでだいたい合っていると思います。
主に使う場所は、モノショックサスペンションの取付、リンク部、エンジン内部品など、強力なトルクをかける時に使います。
大きなボルトやナットはだいたい合っていればいいと思っているので、高価なものでなくても十分使えると個人的には思っています。
精度を追求したい方や、校正のサービス(トルクが合っているかの検査)を求めたりするのであれば、しっかりしたブランドの方がいいでしょう。
トルクレンチとしての使い方ではないですが、ボルトが緩まない時の柄が長いレンチとしても便利ですね。
小さなボルトには怖くて使えませんが、折れそうもないボルトがキツく締まっている時にも役立ちます。
それから本来の使い方になりますが、車のタイヤ交換の時に使え、ソケットも同梱されています。
私もこのトルクレンチの使用頻度はタイヤ交換の方が多いですね。
バイクに乗っている人は車も持っている人が多いと思うので、何かと便利に使えるかもしれません。
エマーソンのトルクレンチは長いので、100N・nまでは次に書く古いトルクレンチを使う場合もありますが、上の2本でほとんどの作業をカバーできています。
以前使っていた、110N・mまではかれるトルクレンチ
エマーソンのトルクレンチの前は、若い頃にホームセンターで購入した格安トルクレンチを使っていました。
こちらもタイヤ交換用で、110N・mまではかれます。短く扱いやすいのがいい所で、今は車の携帯工具にしています。
メガネヘッドが使える、10〜45N・mまではかれるトルクレンチ
スパナヘッドやメガネヘッドが使えるトルクレンチで10〜45N・mの範囲がはかれる、中村製作所のN450LCKというものです。
バイク屋さんが店を閉める時に譲ってもらったものですが、実はまだ一度も使ったことありません(笑)
薄いメガネが使えるトルクレンチがあるとエンジンやるときにいい場合あるよと言われました。
トルクレンチの保管について
トルクレンチの中にはバネが入っており、強く締めたままだとバネが弱ってきて表示トルクと実際のトルクがズレてきてしまう場合があります。
そうならないためには、最低トルクにしてバネに負荷をかけないでしまっておくことも大切です。
感覚的に買った時から大きく狂ってないのでそのまま使っていますが、ブランド品であれば校正のサービスを受けることもできます。
トルクに関してはどこまで気を使うか人それぞれでしょうし、別トルクレンチが必要になる場合もあるかもしれません。
是非参考にして自分に合うトルクレンチを探してくださいね。
<次の記事へ> バイクに積みやすい!超コンパクトな停止表示器材パープルセーバー
<前の記事へ> ワコーズHR-Bの作業性や仕上がりは?純正色との比較も!
コメントはありません