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ブルーム→パース(10月14日〜12月3日)

<アリ>

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ブルームのキャンプ場

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ケーブルビーチの夕日

ブルームで再び溶接をたのむ。こんどは見た目は少し悪いが、しっかりと溶接してもらった。バイクのフレーム以外は好調なので、この町に長居する必要はなかったが、キャンプ場のロケーションが良かったので、十日位ここでのんびりしようと決めた。キャンプ場でアリの巣をさけてテントをはる。海の近くなので、夜は涼しそうだ。

夕飯を作ろうと思い、バッグから米の袋を出して愕然とした。『アリだ。』米の白さの中に赤茶色い小さなアリがうごめいている。よく見るとテントの中にアリの行列ができているではないか。『どこから入って来たんだコイツ。』という疑問と同時に『今日の飯はこれしかないぞ。』ということを思い出す。ひとまずアリの行列はそのままにしておいて、できる限りのアリを取り除き、今日の夕飯を作った。この日からアリと俺との格闘がはじまるのだ。

次の日虫除けスプレーをワカメちゃんと買いに行った。彼も同じキャンプ場に泊まっており、少なからずアリに悩まされているようだ。キャンプ場に戻り、早速スプレーを使ってみる。「スゴイ臭いだよコレ。」たしかに匂いは強烈でいかにも効きそうだ。ワカメちゃんがアリの行列にスプレーしてみる。「即死だ。」殺虫剤じゃないかというほど強力だ!彼のスプレーを借り、自分のテントに使用して、アリを即死させる。その上でチャックなどのアリがはいってきそうな所にスプレーしておく。『とりあえずこれで平気だろう。』

朝起きて、インスタントラーメンを食べようと袋を出したところ、またもやアリが袋の中でうごめいている。『ンモー、マジかよ。袋は開いていなんだぞ。』どうやら袋を食い破って俺のラーメンをかじっていたようである。『俺の飯』食うなよな。でもたいしたもんだよ。君たちは。』ここまでやられると、アリに対して敬意さえ感じてくる。俺はアリ入りのラーメンをすすりながら、アリ対策を考えていた。

食べ物をかばんに入れ、かばんに虫除けスプレーをかけてきちんとチャックを締めておいたらアリがたからない。要はきちんと管理していれば問題ないことを発見した。ただし少しでも気を緩めるとアリはかばんの中に侵入してくる。 他のキャンパーはどうなのだろうと思い、知り合いになった人の車を覗いてみる。『アリだ。』車のタイヤをつたわって、車内に侵入している。ブルームのアリは強力だ。

キャンプ場の前のコバルトブルーのビーチで朝泳いで、昼から釣りをしたり、アサリや巻き貝をとって飯を食うという夢のような生活を一週間程楽しんでいたが、毎日が少し単調になってきた。『そろそろ旅に出るか。』まだ見ぬ 大都会パースをめざして南下をはじめた。

 

<南下開始>

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道ばたで

『ワカメちゃんにはいつ追いくだろう。』かれは数日前に旅立っていた。『彼のバイクのペースは舗装路で一日約250kmと言っていた。俺は一日に500km位 か。』などという事を何度も繰り返し考えながら単調な道を走る。今はブルームを出てグレートサンディー砂漠を通過中だ。砂漠と言っても低い灌木は生えているし今までの道とそう変わりばえしない。目を楽しませてくれたものと言ったら、竜巻くらいだろうか。あちこちに竜巻が上がっている。大きいもの小さいもの。TVで見るようなもの凄いものではないが、何本も竜巻があるというのが凄い。しかし凄い凄いと感動しながらもそれがひたすら続くのですぐに飽きてしまう。オーストラリアの道はどこでもそうだ。面白いものや変わったものが出てきても、それが永遠何時間も続くのだからたまらない。

オーストラリアではバイクなんてちっぽけなものだ。『この国ではバイクは不便だし旅にはむかない。』本心からそう思う。しかし俺は旅している。俺は広い広いこの大地が見たかったのだ。バスや飛行機、電車ではこの広さは感じられない。バイクは最高だ。

 

<ひらめきそして、、>

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パンク修理中

ブルームを出てからの最初の町は、南に約600kmにあるポートヘッドランドという町だ。皆、普通はここで宿をとるようだが、どうも気にいらなかったので200km走って次の町カラーサへ行くことにする。気にいった所や興味を持った所で長く滞在し、そうでない所はサッサといってしまうのが俺の旅のスタイルだ。だから観光地をひたすら回るなんてことも俺はしないし、観光地へ行かなかっかたからもったいないなんて思わない。自分のヒラメキを大切にしている。ポートヘッドランドは俺は興味が持てなかった。ただそれだけだ。逆にカラーサはカラーサに住んでいるオージーに会って、いろいろ聞いていたので、行ってみたかった。今日はまだ200km弱しか走っていない。あと200kmを進む体力もあるし、明るい内につけそうなので先へ進む事にした。

カラーサの手前10kmで夕方になっていた。明るいうちにつけると安心していたところで、前タイヤが少し変だと気がついた。『パンクだ。』と思ったと同時に『明るい内でよかった。』と安心した。暗くなったら街灯は無いのだ。バイクを路肩に止め、作業を開始する。『パンク修理はお手のものだ。問題ない。』と思って作業していると、車が止まってくれた。「どうしたんだ。大丈夫か。」と心配ように話しかけてくるので、「大丈夫だ。直せるから。」と答えた。しかし彼は不安なようで「もしなんなら車に乗せて行くぞ。」と親切に聞いてくれる。『やっぱりトラブルがあった時はお互いさまなんだな。』と妙に感動しながらも「大丈夫だ。」と答えて作業を再開した。するとまた一台の車が止まってくれた。「どうしたんだ。大丈夫か。」と聞いてくる。『やっぱりオージーは親切だ。』と思いながら、事情を説明して、別れる。するとまた一台の車が…。何台かに一台が止まって尋ねてくれる。そのたび「大丈夫か?」と聞かれる。この国で車のトラブルは非常に重要な問題なので、助け合いの精神が発達しているようだ。しかし、町から近く、おまけに夕方だったので車の通りが多く尋ねてくれる人数が多すぎる。おまけに世間話しを始める人までいる。『これじゃ作業にならないよ。』と思いながら、ついつい一緒に世間話しをしてしまう。『なんでギブリバーロードの時は誰も声をかけてくれなかったんだろう?』という疑問を抱きつつも、タイヤの修理を終え、カラーサの町へ向かった。ちなみにパンクの修理には1時間30分もかかってしまった。1時間位 は話しをしていたという事か。もう空は暗くなっていた。

 

<整備されていく道>

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カンナミユキストックルート

日本人にだけ有名なカンナミユキストックルートというものがある。ストックルートといっても日本人がかってに名前をつけただけで、ただの40kmのダートロードである。なぜそんな名前がついたかは地球の歩き方ツーリング&ドライブを読んでもらうとして、このカンナミユキストックルートを俺は走っていた。道は非常によく整備されていて、なにも問題なく通過したが、ダートの最後の方は舗装工事が始まっていた。もうすぐこの道もダートではなくなってしまうのだろう。しかしこんなに利用頻度の高い道が今までダートだったのが不思議だ。

カンナミユキを抜けたエクスマスのあたりの道は、見飽きていたブッシュの道から草原の道へと変化した。写真に撮ってしまうと似てしまうような道でも、その場にいるとちょっとしたことが大きな違いとなって見えてくる。平原に山があるとうれしい。木の種類が変わると嬉しい。土の色が変わっただけでも嬉しいのだ。

 

<コーラルベイ>

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コーラルベイ

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夕食ゲット

コーラルベイでワカメちゃんに追いついた。コーラルベイは名前負けしないくらい美しいところで俺はここに3泊くらいしてみようという気になっていた。もちろんキャンプでだ。宿には日本人バックパッカーがたくさんいたようだがキャンプ場にはワカメちゃんしか日本人はいなかった。『わかめちゃんもキャンプ好きだねぇ。』

世界中どこへ行っても日本人は多いが、俺は日本人同志でグループを作っているのはあまり好きではない。どうせなら、その土地の人と話してみたいと思う。それには少し寂しい時もあるが、キャラバンパークに泊まるのが一番だと思う。ワカメちゃんも似た考えのようで、日本人でグループの中に入るのが嫌いなようだ。もっとも俺達二人は日本人だから、グループを作っているように見えるかもしれないが。

コーラルベイは楽しくて、結局四泊したが毎日釣りをしていた。釣れる魚はカラフルな魚ばかりだが、もちろん夕食としておいしくいただいた。キャンプ場はきれいだし、アリもいない。なにもかもが快適だった。

 

<リゾート>

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モンキーマイヤ

野生のイルカの餌ずけに成功して有名になったモンキーマイヤへイルカが触れるらしいということで行ってみる。到着してすぐにテントを張り、海へ行ってみる。静かだ。まだイルカは来ていないらしい。野生のイルカなので、いつでも見れる水族館とはわけが違うが、毎日数回おなかがすくとやってくるらしい。日陰で昼寝をしながらのんびりと待つ。

フッと目が覚め海に目をやると海に人だかりができている。『イルカがきている。やられた。』急いで近づいて、触ろうと手をのばしてみたが、なかなか近寄ってこない。レンジャーの人に「それ以上前へ出ないで下さい。」と俺を含め観光客みんなが注意を受けながら手をのばしていたが、イルカは気まぐれ、沖へ泳いでいってしまった。この日はもう一度イルカに触るチャンスがあったが、結局触ることはできなかった。残念。

夜、日本人の普通の観光客がバーベキューをやっていた。よく見ると、最近知り合った日本人のライダーがまじっている。『さてはご馳走になっているな。』缶詰とごはんしか食べていなかったので、早速声をかけて仲間にいれてもらう。ちょっと卑しいがご馳走の魅力には勝てなかった。いろいろな世間話しにつきあいながら、あさり焼きをご馳走になる。ここのビーチでもあさりが取れるみたいだ。そろそろ話し疲れたころ、彼らは「これからレストランで食事だから、残りのあさり食べてくださいね。」といって行ってしまった。二人取り残され、あさりを食べていると、となりでバーベキューを外人が始めた。彼らに食べさせようという事になり、話しかける。「もし良かったらこれ食べませんか?」外人はあまりこういう物は食べないんだろうなと内心冷や冷やしていたが、勇気ある女性が一口食べ、しだいに打ち解けていく。彼らにご馳走をしたからか、「夜ビデオを見るから、おまえらも来い。」と誘いを受ける。もちろん俺達はOKした。

時間になりビデオの上映場所へ行ってみるともうすでに何人か人が来ている。バーベキューをやっている人だけで映画を見るのかと思っていたのだが、かなりの大人数が来た。彼らは皆、モンキーマイヤリゾートのスタッフだった。この夜は、酒を飲みながらビデオを楽しみ、楽しい一夜を過ごした。

昨日テントの中で考えていた事があった。『ここで働けないだろうか。』さぐりをいれてみたところでは、働けそうだ。こういう所で働くのは非常にいい経験になるだろう。たいていの日本人は、日本人商売しかできない。『いいチャンスだ。』このころには転んだらタダでは起きない性格になっているし、なんでも出来ると思いこんでいる。しかしパースでクリスマスを過ごしてみたいという気持ちもある。かなり悩んだ末、俺はパースへ行くほうを選んだ。

 

<カルバリ>

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ホワイティングという魚

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夕食

『旅で寄り道は基本でしょう。』少しルートをはずれカルバリというとこへいく。宿泊はもちろんキャンプ。キャンプのしたくをして、バイクにガソリンを入れに行く。ガソリンスタンドの兄ちゃんに旅の話しを聞かれ、調子にのってベラベラ話す。そこで知り合いになって、後で彼のキャラバンに招待してもらったり、酒を飲みにいったり、楽しい時を過ごしたのだが、それには、間違った英語でもいいから、積極的に話すことが大切だ。ハッタリを半分かましながら大袈裟に大袈裟に話すのが外人相手にはちょうどいい。それに気がついてからは、それがいつも良い結果 をうんでいた。

彼にカルバリでの魚釣りのことを教わり、またもや魚釣りをする。ここではホワイティングという白ギスの一種のようなものが入れ食いで釣れる。おかげで夕食には困らなかった。

釣りの事にしてもなんにしても、宿に泊まれば親切な主人が教えてくれるのだろうが、俺はやはり商売でない普通 の人々と接し、いろいろな話しを聞きたい。

 

<ピナクルス>

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ピナクルス

パースを目の前にして早く街へ到着したいという気持ちはあったが、西海岸の目玉の一つピナクルスへは寄らなければと思っていた。日本で見たオーストラリア写真集のピナクルスの美しさと奇妙さを是非見てみたかったのだ。セルバンテスの町にキャンプを張り、さっそくピナクルスへとバイクを走らせる。ゲートにはレンジャーがいて金を取られた。帰る時はいなかったので、もう少し夕方遅くくればタダだったみたいだ。『あ〜損した!』とにかくピナクルスは俺の期待を裏切らなかった。夕日に映える奇怪な岩。なぜこうなったのかは知っていたがやはり不思議だ。自然は偉大だ。

 

<ついにパースへ>

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パースの街

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街はクリスマス一色

冗談でなく夢にみたパース。期待に胸がふくらむ。ケアンズを出てから都会的な生活はしていないし、そんな町も来る途中にはなかった。ダーウィンの街から約1か月、ずっとキャンプ生活だ。あと100km、50km、25km…。だんだん近づいてくる。『見えた!』遠くにボンヤリと見える高層ビル群。『ついにここまで来たんだ。』涙が出るほど嬉しい。

街の中へ入り、宿をさがさなければならなかった。大都会でキャンプは不便すぎるからだ。しかし俺には宿のアテがあった。ここへ来るまでの間にいろいろと情報を集めておいたからだ。俺の希望の宿は日本人が固まっていない所で宿に宿泊している外人がフレンドリーであることだった。途中で話したオーストリア人の旅人がそんな俺にピッタリの宿を教えてくれていてくれた。彼の英語は俺と同じ位のレベルでたいして話すことができないのに、その宿は凄く楽しめたというのだ。俺はそこに泊まりたいと思っていたが、ワカメちゃんと待ち合わせした宿もあったので、先にワカメちゃんと待ち合わせをした宿へ行く事にする。彼はまだ到着していないようだったが、とりあえず空き部屋を聞いてみる。「今日泊まりたいんですけど。」「ツインなら空いている。泊まるか?」と感じが悪い。ツインの値段は俺には高すぎるし、宿のオッサンの対応も悪いので、ワカメちゃんを裏切り、俺はもう一方の宿に行くことにした。

 

<偶然の再再再会>

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KMANさんと

再会パースについて3日ほどこの宿で過ごしたろうか。知り合いになったオーストラリアのライダーが俺を呼びに来た。彼はここでレセプションの仕事をしていたのだが、「お前はシゲを知っているか?」と俺に聞く。シゲという名前にピンとこなっかたのだが、「小さいバイクに乗っているやつだ。」という。『あー、ワカメちゃんだ。』「知っているけどどうしたの?」「彼がここに来ている。ついてきな。」といって俺を案内してくれ、俺は彼と再会することが出来た。「どうしたの?」「イヤー、宿がみつからなくて、ここでいいやと思って入ったら、XLVがあるじゃん。」偶然とは恐ろしい。宿はたくさんあるのに…。無事に再会を果 たし、当然、街へ繰り出した。

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