高句麗からの渡来人を主祭神として祀る高麗神社
少し前のことですが、埼玉方面に行った時に日高市の高麗神社に寄ってみました。高麗郡と呼ばれる朝鮮半島からの亡命者たちが移住した地域にある神社です。
天気が今一歩だったので悩んだのですが、興味が沸いていたので立ち寄ってみることにしました。
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高句麗からの渡来人を主祭神として祀る神社
かつて、埼玉県日高市、飯能市、鶴ヶ島市などのエリアは高麗郡と呼ばれていました。これは唐と新羅に滅ぼされた朝鮮半島にあった高句麗の人々が移住した地だったからです。
このあたりには高麗神社だけでなく高麗駅や高麗川など高麗がついた名前を見かけますが、高麗人が住んでいたからだそうです。
その日本に帰化した高麗人達の子孫達が作った神社が高麗神社らしく、主祭神は高句麗からの渡来人である高麗王若光となっています。
また高句麗ゆかりの神社のため、韓国で見かける将軍標もあるらしく、近くへ行く機会があったら見てみたいと思っていた神社なんですよね。
一ノ鳥居
駐車場に車を停めて一ノ鳥居から歩いて見ました。
江戸時代までは高麗郡の大宮として「高麗大宮大明神」「大宮社」と称されていた高麗神社。その一ノ鳥居の扁額には、「大宮大明神」と書かれています。地域の重要な神社だったことがうかがえますね。
高麗神社の将軍標(チャンスン)
二ノ鳥居が見え、左右に車秡所が見えて来ます。その手前右側に石製の将軍標があります。第1駐車場から普通に歩くとこのあたりへ出てきます。
不思議な顔をしたトーテムポールのような将軍標は、韓国の村落の入口でみられる道祖神のようなもので魔除けの意味があるそうです。
本来は木製らしく、1992年に在日本大韓民国民団から寄贈された時も木製だったみたいですが、腐食などにより花崗岩製の将軍標が再度寄贈されました。
将軍標には「天下大将軍」「地下女将軍」と書かれており、男女で対になって設置されています。
日本人的な感覚だと将軍ってなんぞやって感じですが、守護神とか神様とかに置き換えるとなんとなく意味が分かってきますね。
二ノ鳥居
参道を進み二ノ鳥居に到着。第59代高麗家当主・宮司 高麗澄雄筆による扁額がかかっていました。さきほどの将軍標は不思議な感じを受けましたが、その他はいたって普通の神社に見えます。
手水舎
二ノ鳥居のすぐ左手に手水舎があります。中央に龍がいていい雰囲気です。
コロナ以前は柄杓が置いてあったようですが、上から水が落ちるタイプに変更されていました。
水天宮
手水舎の先水天宮へ続く道がありますが、閉山期間(12月26日~2月4日)だったので行ってません。山の中にあるのですが、時間があれば歩いて行ってみたいですね。
天皇皇后両陛下が立ち寄られた高麗神社
高麗神社には天皇皇后両陛下(明仁上皇陛下・上皇美智子さま)が2017年9月に訪れています。私的な旅行だったそうで巾着田曼珠沙華公園にも立ち寄ったそうですね。
高麗神社は高句麗からの渡来人 高麗王若光を主祭神といて祀ってある神社なので、いろいろな意味で話題になったんだろうなぁと思いましたが、やはり話題になったようですね。
御神門
拝殿の前に立派な御神門があります。
御神門の扁額には「高句麗神社」と記されています。この扁額は、1900年(明治33年)に当社を参拝した朝鮮王朝の貴族 趙重応が書いたそう。
「高麗神社」なのに「句」の時が小さく記されているのは、高句麗という国が由来(後に高麗という国が出来ているので)であることが分かるようにだそうです。
拝殿
拝殿に到着しました。この拝殿は2015年(平成27年)に増築によって建てられたものです。拝殿の中には祈祷してもらっている人達がたくさんいました。
この奥に安土・桃山時代に作られた御本殿がありますが、見えません。気づかなかったのですがトイレの方から裏手にまわると裏側は見えるみたいですね。
祈祷はしてもらいませんでしたが、出世の神様らしいのでしっかりお参りをしておきました!
境内
少し高い位置にある拝殿のあたりから境内を見渡すことができます。決して大きくはないですが、このエリアの人口を考えると大きな神社に見えますね。
参集殿
ご祈祷の受付や祈願者の控え室があります。行ったのは1月中旬でしたが、受付に入っていく人も多かったです。通常は参集殿で御朱印の受付もやっているようですね。
まだ正月あけて間もなく祈願者が多い時期だからか、御朱印受付のテントは別にたててありました。
高麗家住宅
トイレの通路から奥に進むと高麗家住宅がありますが、私気づかずに行きませんでした・・・。突発的に寄ったのもあり後で知ってショックでした・・。
また近くに行った時に立ち寄れれば是非見てみたいと思います。でも、次はせっかくなので晴れた日限定で行きたいのでいつになるか・・。
販売所
おふだやお守りなどの販売所です。
神楽殿
祭事や催しなどの舞や楽器演奏などに使われる建物です。この時は朝鮮の民族衣装が展示されていました。
神社に朝鮮の民族衣装があるのもちょっと不思議な感じがして面白かったです。
御神木
高麗神社の御神木は彼岸桜と檜です。彼岸桜は境内中央にあり樹齢300年だそう。まわりでお神籤もやっており、いかにも御神木っぽい感じでした。
もうひとつの御神木である檜は参集殿の前に立っていました。こちらは少し地味目ですかね。
お神籤
せっかくなのでお神籤を引いてみました!小吉でした。
秡所
通常は祭事などで神主が参列者をお祓いする場所です。この建物で「伊勢神宮について 神社まめ知識 展」というのをやっていました。
神社のことについての読み物が貼ってあり、読んでみたいものを持ち帰れるようにもなっていました。けっこうみなさんじっくり見ていました。
韓国色を出した露店
高句麗ゆかりの神社だからか、見慣れた屋台の他に韓国屋台スイーツ「ホットック」や、定番の「トッポギ」の屋台も並んでいました。
韓国屋台の売れ行きがいいのかは分かりませんが雰囲気はでますよね。
買ってみようと思った「ホットック」は人がおらず買えず、「トッポギ」はあまり好きではないので買わず。
時間的に早かったのもあり買ってみたいものは変えませんでした・・残念。
駆け足での見学になってしまいましたが、色々な所に高句麗ゆかりであることを打ち出していて面白い神社でした。またチャンスがあれば晴れた日に行ってみたいと思います!
高麗神社の場所はこちら
神社での祈り方を知れる本!
神社では漠然とお祈りをしてしまうことが多いですが、神社参りの基礎知識や手順・作法などはもちろん、神話などについても書かれています。
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