バイクトラブル発生!1ヵ月半の退屈な日々【オーストラリア一周ツーリング その2】
オーストラリア一周ツーリング・ブリスベン→ケアンズ編(9月13日〜10月4日)
初めての海外ツーリング。XLV750で乾いた大地を走った24000kmの旅。(1994.6-1995.4)【その2】
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ブリスベン旅立ち前夜
ブリスベンに来てから2か月ほどたち、そろそろ旅に出たくて仕方なくなっていた。
もちろん日本とは違った環境でいろいろな発見はあったが、オーストラリアの大地を走る旅の準備もほとんど終わっていたからだ。
オーストラリア一周への出発日の前日に、工具やスペアパーツ、日本でずっと愛用していたテントやストーブ等を慎重にパッキング。
明日から始まる長い長いツーリングに胸を高鳴らせながら夜がふけていった。
ブリスベンからケアンズまでの見所
いよいよ大陸一周への旅が始まった。
ジャスト昼の12時、ブリスベンでお世話になった人と再会を約束し、すっかり走りなれた道を北へと向かう。
基本的なルートはオーストラリアを一周している国道1号線を使う予定だ。選べる道もそれほど無いのだが。
まずブリスベンから北上しケアンズに向かった。
この区間での見どころは、ヌーサのビーチ、ハーヴィーベイでのホエールウォッチング、世界一の砂の島フレーザー島、ウィットサンデーの美しい島々が有名所だ。
世界最大の砂の島、フレーザー島
その中でも俺の一番印象が強かったのはフレーザー島だった。この島は本当に美しかった。
日本人ライダーのほとんどが通過してしまうところなのだが、美しい川などほとんど手付かずの自然と野生動物がすごい。
そして道路は全部砂!もちろん4WD車しか走れない。
この島には宿泊施設がほとんど無く、島に来る人ほどんどがキャンプを楽みながら時間を過ごす。
こんなに素晴らしいところがあったなんて。
フレーザー島でフィッシャーさん家族と知り合った。
キャンピンググランドで知り合ったその家族は、シドニーからの家族旅行を楽しんでいた。
彼らは当然のように夕食に招待してくれ、オーストラリア流の食事をとりながら話をした。
日本のことやオーストラリアのことについて色々聞けてとても面白かった。
お父さんのヒューは米の研究をしているそうで、日本での農業について非常に関心があった。
お母さんのロザリンはウクレレとギターを教えているそうで、日本の楽器に興味を持っていた。
子供達は日本の遊びを知りたがった。
かなりいいかげんな英語で、オーストラリアの事を聞いたり、日本の事を教えたりした。
その時感じたのは、英語を話せることも大切だが、いろいろな知識を持っていることも大切だと感じた瞬間でもあった。
フィッシャー一家は、つたない英語でも真剣に話しを聞いてくれた。
そして分かりやすい英語で話しを聞かせてくれるので、とても楽しくて夜があっという間にすぎていった。
次の日、子供達のベンジャミンとティモシーと俺の3人で、キャンピンググランドからマッケンジー湖まで歩くことになった。
マッケンジー湖はこの島で最も美しい湖で、ヒューとロザリンは車で先に湖まで行き、昼食を準備しておくとのこと。
3人は意気揚々と昼飯に向かって川を渡り湖を泳ぎながら突き進む。
2人は元気一杯に。俺はゼイゼイ。
子供達とたくさん会話しながらの楽しいトレッキングだった。
子供のうちからいろんな人達に接するというのはいいことだな、とか真面 目なコトも考えたりしてるうちに湖に到着。
昼飯を食べる。楽しい時間の中のご飯はやっぱりうまい。
バイクをいたずらされ、大トラブル発生
フィシャー一家に別れを告げ、1号線を北上しロックハンプトンに向かっていた。
少し前からバイクがおかしい。昨日まであんなに調子の良かったバイクがスピードもだしていないのにオーバーヒートするのだ。
自分で思いつく可能性を考えてみる。
XLV750は空冷なので冷却水の問題はない。
あと考えられるのはオイルが無いということ。しかしオイルは十分に入っている。
様子を見ながら走っていていて、オイルがまわっていないことのではないかという考えにいたる。
オイルラインかオイルポンプ詰まっているのではないかと。
まわりを見渡して見る。なにもない。ここでは直せない。
ラブルが発生した時、この国の大きさを実感した。この世の中にただ自分ひとりしかいないような感覚。
ロックハンプトンの町までの約70kmほどの距離を、何度も休憩をいれながらただエンジンを壊さないように走っていく。
その距離は途方も長い距離感じられた。
バイク故障でロックハンプトンの町に1ヵ月半の滞在
バイク屋での原因究明に時間がかかり、俺は1ヶ月半もの間ロックハンプトンの町で過ごしていた。
なかなか直らずに、来週には・・・、来週には・・・とどんどん日が延びていった。
定期的にバイク屋へ問合せするのも本当につらかったし、とにかくやることがなくてヒマで辛かった。
町の見学も飽きたので、スクラッチをやったり、お茶を飲んだりする日々。
時間がありすぎるので、バイクなしでリゾート地へ行ってみたりもしたが、余計に辛くなるだけだった。
リゾートは最低限のお金と話しが出来る知り合いが絶対に必要だと理解した。
バイクの故障原因は人のいたずら
1ヵ月半ほどかかってバイクはなんとか直ったが、原因はオイルポンプの詰まりとのことだった。
そしてバイク屋から衝撃の事実が・・・。
「これは誰かにイタズラされたみたいだね。みてみろこれ。」と言って石のようなものをだされた。
自然に入るものではないので、どうやら誰かがそれをオイルの注入口からエンジンに入れたようだ、とのことだった。
バイクのトラブルは付きもだが、人にいたずらされるとは思わなかった。
考えてみればここへ来る間のキャンプ場で思い当たるフシが無いわけでもない。
まぁ、多少落ち込んだが、仕方のない事として諦める事にする。
バイクはむきだしだ。イタズラしようと思えばいくらでも出来る。盗まれなかっただけマシ!
それよりもバイクが直って旅が続けられる喜びのほうが大きい!
ロックハンプトンを出発してケアンズに到着
ロックハンプトンを1ヶ月半ぶりに出ることが出来た。
ここで旅が終わってしまわなくて良かった。
ロックハンプトンを出てからは、ウィットサンデーの島々を巡るヨットクルーズに乗ったりもした。
途中にあるタウンズビルをいう町も無事に通過し、ブリスベンを出てからの1つめの大都市ケアンズへ無事に到着。
修理を終えたXLV750は快調に走ってくれた。
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